コンパウンドマイクロスコープ (compound microscope)とは

コンパウンドマイクロスコープ(compound microscope)は、微小なサンプルや試料を観察するために使用される光学機器の一種です。一般的に、生物学や医学、材料科学などの科学研究や教育、医療診断などで広く利用されています。

コンパウンドマイクロスコープは、複数の光学コンポーネントを組み合わせて構成されており、複数の倍率での観察が可能です。主要な構成要素には、対物レンズ(objective lens)、接眼レンズ(eyepiece)、照明システムが含まれます。

対物レンズは、観察対象の近くに配置され、微小な詳細を拡大します。対物レンズは通常、複数の倍率(10倍、40倍、100倍など)を持ち、試料の解像度や拡大率を調整するために交換可能です。

接眼レンズは、観察者の目に近い位置に配置され、対物レンズによって拡大された像を観察します。一般的な倍率は10倍ですが、他の倍率も使用されることがあります。

照明システムは、試料を照らすために使用されます。光源は一般的には下部に配置され、試料に光を当てることで、観察者が明確な像を得ることができます。また、一部のコンパウンドマイクロスコープには、偏光フィルターやフィルターホイールなどの追加の光学コンポーネントが備わっていることもあります。

コンパウンドマイクロスコープは、その高い倍率と解像度により、微小な構造や細胞、微生物、組織の観察に適しています。さまざまな試料や材料の詳細な観察、細胞の形態や機能の研究、医療診断などに広く利用されています。

近年、デジタル技術の進歩により、一部のコンパウンドマイクロスコープはデジタルカメラやコンピュータと接続して、観察結果をデジタルデータとして保存や共有することも可能です。これにより、観察結果のドキュメント化や画像解析などが容易になりました。


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