コロナグラフ (coronagraph)とは

コロナグラフ(coronagraph)は、天文学や光学系において、太陽のコロナや他の明るい光源の周りに存在する弱い天体や構造を観測するための装置です。コロナグラフは、光源からの強い光を遮断することで、その周囲の弱い光を観測するための環境を作り出します。

一般的なコロナグラフは、光学系において、光源の直接的な光を遮断するために、ディスク状の遮光器やマスクを使用します。これにより、明るい光源の光が遮られ、その周りに存在するより弱い天体や構造の観測が可能になります。また、一部のコロナグラフでは、光学系の特殊な配置や位相の変化を利用して、光源の周囲のコロナをさらに効果的に観測することもあります。

コロナグラフは、特に太陽物理学の研究や惑星のトランジット観測などで広く使用されています。太陽のコロナを観測するためのソーラーコロナグラフや、恒星の周囲の惑星やデブリディスクを観測するための恒星コロナグラフなど、さまざまな種類のコロナグラフが開発されています。

コロナグラフは、強力な光源からの光を遮断するため、高い光学的制約や精密な調整が必要となります。また、観測対象が非常に弱い光であるため、高い感度とノイズの低減が求められます。これらの要素を考慮しながら、コロナグラフは天文学研究や宇宙観測において重要な役割を果たしています。

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