ローリングシャッターとグローバルシャッターの違いと使い分け

デジタルカメラやビデオカメラにおいて、イメージセンサーに使用されるシャッター技術には、ローリングシャッターとグローバルシャッターの2つの主要なタイプが存在します。それぞれ異なる特徴と用途があります。以下では、ローリングシャッターとグローバルシャッターの違いと使い分けについて詳しく解説します。

【ローリングシャッター】 ローリングシャッターは、イメージセンサーの上部から下部または左から右へ順番にラインをスキャンしていく方式です。主な特徴は以下の通りです:

  1. スキャン方式: ローリングシャッターは、センサーの各ピクセルを順番に読み取るため、シャッターカーテンの動きによって撮影された画像の上部または左側が先にキャプチャされます。
  2. モーションアーチファクト: ローリングシャッターは、被写体やカメラの動きとシャッターの動きのタイミングのズレにより、歪んだ形状や不自然な傾きが生じることがあります。これをモーションアーチファクトと呼びます。
  3. 高速撮影の限界: ローリングシャッターは、センサー上の各ピクセルを順番に読み取るため、高速な動きや高速連写時には、被写体の一部が歪んでしまうことがあります。

【グローバルシャッター】 グローバルシャッターは、イメージセンサー全体の画像を同時にキャプチャする方式です。主な特徴は以下の通りです:

  1. 同時キャプチャ: グローバルシャッターは、センサー全体の画像を同時にキャプチャするため、被写体の動きやカメラの揺れに関係なく、正確な画像が得られます。
  2. モーションアーチファクトの回避: グローバルシャッターは、ローリングシャッターのようなモーションアーチファクトを回避するため、高速な動きや高速連写時にも画像の歪みが発生しません。
  3. 高速撮影に適している: グローバルシャッターは、高速な動きや高速連写時にも正確な画像をキャプチャできるため、スポーツ写真や高速撮影に適しています。

【使い分けと適用例】 ローリングシャッターとグローバルシャッターは、それぞれ異なる特性を持っており、適切な使い分けが重要です。

  • ローリングシャッター: 静止画撮影や通常のビデオ撮影など、被写体の動きが比較的ゆっくりであり、モーションアーチファクトが問題とならない場合に適しています。
  • グローバルシャッター: 高速な動きや高速連写が必要なスポーツ写真、高速撮影、ストロボを使用する場合など、モーションアーチファクトを回避し、正確な画像をキャプチャする必要がある場合に適しています。

適用例によって、カメラやビデオカメラのシャッタータイプを選び、被写体の動きや撮影条件に応じて最適な結果を得ることができます。

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