ウェーブフロント (wavefront)とは

ウェーブフロント(Wavefront)は、光波の振動面のことを指します。光は波動性を持つため、光の振動は波として表現されます。波面は、光の位相が一定である面であり、光波のエネルギー伝播方向に垂直に伸びます。

光源から放射された光波は、波面が球面または平面状で広がります。球面波面は、点光源からの光や球対称の光源からの光に対応し、中心から等しく広がる円形の波面です。一方、平面波面は、平行光線からの光や遠方の光源からの光に対応し、波面が平行で一定の形状を持ちます。

ウェーブフロントは、光の波面の形状や配置を表現するために使用されます。一般的に、ウェーブフロントは平面上の曲線や輪郭として表されます。波面が均一で平坦な場合、ウェーブフロントは平面となります。しかし、光が物体や光学系を通過すると、光の波面は歪みや曲率を持つことがあります。これは、屈折や散乱といった光の相互作用によるものです。

ウェーブフロントの形状や歪みは、光学系の特性や物体の特性と関連しています。例えば、凸レンズは入射した平行光を収束させるため、凸レンズの後方では球面波面が形成されます。また、物体の表面や媒体の境界によって光が屈折や反射される場合、ウェーブフロントは曲がったり歪んだりすることがあります。

ウェーブフロントの形状や変化を観察することで、光学系の特性や光の伝播に関する情報を得ることができます。ウェーブフロント解析や干渉計などの手法は、光学計測や波動光学の研究において広く使用されています。ウェーブフロントを制御することで、像の形状や光学系の性能を最適化することも可能です。

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