エリプソメトリ (ellipsometry)とは

エリプソメトリ(ellipsometry)は、光の偏光状態を測定し、それを物質の光学特性や薄膜の厚さなどの物理的パラメータに関連付ける非破壊的な光学測定技術です。エリプソメトリは、材料科学、表面科学、薄膜技術、半導体工学などの幅広い分野で使用されています。

エリプソメトリの原理は、光の偏光状態の変化に着目するものです。光は電磁波であり、その振動方向が特定の方向に制限されることを偏光と呼びます。エリプソメトリでは、試料に入射した偏光光を反射または透過させ、その後の光の偏光状態の変化を測定します。具体的には、光の振動面の回転角度と楕円率(ellipticity)を測定することで、試料の光学特性を解析します。

エリプソメトリの測定結果からは、試料の屈折率や膜厚、吸収係数などの光学的特性が得られます。これは、薄膜の成長プロセスのモニタリングや表面の特性評価に有用です。また、エリプソメトリは材料の組成分析にも応用されます。例えば、多層膜の構造や表面に存在する極薄層の存在を検出することができます。

エリプソメトリの利点は、非接触かつ非破壊的な測定が可能であることです。試料の表面を傷つけることなく、高精度な光学特性の測定が行えます。また、幅広い波長範囲で測定が可能であり、可視光から紫外線、赤外線まで広いスペクトルをカバーします。

エリプソメトリは、物質の光学特性や薄膜の特性を解析するための重要なツールです。材料の設計や評価、薄膜の成長プロセスの制御など、さまざまな応用分野で幅広く活用されています。

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