カプセルエンドスコープ (capsule endoscope)とは

カプセルエンドスコープ(Capsule Endoscope)は、内視鏡検査の一形態であり、消化器系の観察や診断に使用される小型のカプセル状の医療デバイスです。通常の内視鏡検査とは異なり、カプセルエンドスコープは経口摂取され、消化管内を通過しながら映像を撮影し、病変や異常を検出することができます。

カプセルエンドスコープは、小型カメラ、LEDライト、バッテリー、映像伝送機構などから構成されています。カプセルは通常、経口摂取され、食道から始まり胃、小腸、大腸などを通過して排泄されます。カメラは周囲の組織や臓器の状態を撮影し、その映像は内部に搭載されたデータ収集装置に記録されます。映像はワイヤレスで外部の受信装置に送信され、医師が解析や診断を行います。

カプセルエンドスコープは非侵襲的な検査方法であり、患者にとっては通常の内視鏡検査よりも負担が少なく快適です。また、経口摂取されるため、鼻や喉に挿入する必要がなく、痛みや不快感も少ないとされています。

カプセルエンドスコープは、以下のような症状や疾患の評価に使用されます:

  1. 消化管の潰瘍や炎症の検出:カプセルエンドスコープは、食道、胃、小腸、大腸などの消化管の内部を詳細に観察し、潰瘍や炎症などの異常を検出することができます。
  2. 腫瘍やポリープの検出:消化管内の腫瘍やポリープの有無や位置を確認することができます。これにより、早期のがんや前がん病変の発見が可能となります。
  3. 出血の評価:カプセルエンドスコープは、内視鏡的な視点から消化管内の出血の原因や程度を評価することができます。
  4. 消化管病変の追跡:特定の治療を受けている患者や慢性的な疾患を持つ患者の場合、カプセルエンドスコープは定期的な追跡検査に使用され、病変の進行や治療効果の評価に役立ちます。

カプセルエンドスコープは、内視鏡検査の一部ではありますが、一度使用されると回収できないため、使い捨てとなります。医療機関で専門の医療スタッフによって使用され、適切な処理が行われます。

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